2026年サイバーセキュリティ月間の寄稿コラム

内閣官房 国家サイバー統括室(NCO)
統括官

木村 公彦

 デジタル技術のめざましい発展と普及により、「サイバー空間」は私たちの社会経済活動に欠かせない基盤となり、多くの利便をもたらしています。さらに、この「サイバー空間」は、自由主義、民主主義、文化発展を支える基盤でもあります。「自由、公正かつ安全なサイバー空間」の確保は、私たちの社会、生活にとって重要な課題です。
一方で、サイバー攻撃のニュースが毎日のように報じられています。ランサムウェア攻撃により、企業の活動が停止するなど、様々なサイバー脅威が、私たちの暮らしや社会に大きな影響を及ぼしています。

 こうした状況を踏まえ、昨年5月、厳しさを増すサイバー脅威への対処能力を強化するため、「能動的なサイバー防御」を可能とする「サイバー対処能力強化法等」が成立しました。加えて、昨年12月には、新たな「サイバーセキュリティ戦略」も策定されました。こうした法律や戦略の下、「自由、公正かつ安全なサイバー空間」の確保を目指し、官民連携・国際連携の下、我が国のサイバーセキュリティ対策を推進しています。

 こうした様々な取組の一環として、政府は、サイバーセキュリティに関する普及啓発のため、毎年2月1日から3月18日を「サイバーセキュリティ月間」とし、国家サイバー統括室(NCO)を中心に、産官学民で連携して、幅広い年齢層に向け、サイバーセキュリティに関する普及啓発活動を集中的に実施しています。今年も様々な主体により、各地で約160件のイベント等が開催されます。

 今年のサイバーセキュリティ月間のテーマは「サイバーはひとごとじゃない」です。世代を問わずサイバーセキュリティの重要性に気づいていない方、サイバーセキュリティの重要性は知っているがどう対策していいか分からない方に加え、対策が十分に進まない傾向にある中小企業の皆様に向けて、サイバーセキュリティの重要性や、実際にサイバーセキュリティ対策を進めていただくための情報発信などを進めていきます。

 サイバー被害に遭わないためには、一人一人が日頃から意識を高め、「OSやソフトウェアは常に最新の状態にする」「パスワードだけに頼らず多要素認証を行う」といった基本的な対策を徹底することが重要です。
NCOでは、サイバーセキュリティに関する基本的な知識、誰もが最低限実施しておくべき基本的なサイバーセキュリティ対策をわかりやすく解説・紹介する、「インターネットの安全・安心ハンドブック」を公開しています。どうしたらいいかわからないとき、見直し・点検をしたいとき等にご活用ください。
 また、今回のサイバーセキュリティ月間リレーコラムは、昨年大盛況となった、大阪・関西万博のサイバーセキュリティに関する取組みのほか、最近のサイバー分野のトピックや、サイバーセキュリティを支える人々の活動、サイバー人材の裾野を広げる取組みなどを、政府機関や関連団体の方々にご紹介いただきます。

 現代社会は、あらゆる個人、企業、組織が、ネットワークや機器、システムを介してつながっているため、誰かがサイバー被害にあえば、他の方にも被害が及ぶ可能性があります。社会全体のサイバーセキュリティを守るためには、一人だけが、一企業だけが気をつけていれば安全というものではなく、皆さんお一人お一人のご協力が不可欠です。ご家族、ご友人、職場の仲間と、スマホやPCなど身の回りのセキュリティ対策について、確認する機会としていただければ幸いです。

2026年2月1日